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かろん
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テイルズと遊戯王などが好きな腐った♀。

ユーリさんかリタっちがいれば飯三杯はいける。
TOVメインのテキストブログ。携帯サイト出張版です。
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好きになった時から
ほんのりユリリタ

「ねぇ」

「……」

「…ねぇったら」

さっきからこの応酬だった。何度呼んでもユーリは返事をするどころか、こちらを振り返ることすらしてくれない。

聞こえないふりをしているのは明らか。いや、寝てるのか?

とにかく、向こうがあたしを無視する理由なんて無いはずだ。

何で?

「…ねぇって言ってんでしょ!」

限界が来たあたしは、無理矢理ユーリをこちらに向かせた。

あたしを見るユーリの顔は、不機嫌そうだった。不機嫌な顔をされると、こちらまであまりいい気分になれないものである。

「…何で無視すんのよ」

「お前の真似」

即答だったので、少し拍子抜けしてしまった。

「…は、真似ってどういう意味よ」

「真似は真似、それ以外何があるってんだよ」

「何であたしの真似しないといけないか、ってことよ」

びし、とユーリに指をつきさしてやった。
ユーリはにやりといやらしい笑みを浮かべた。

「詳しく言えば、お前が本読んでる時の真似だな。オレ、今のリタみたいに無視されるの」

そういうことか。
確かに、読書中は周りを無視しているのは自覚している。と言っても、真剣な時だけだ。

「ふぅん…そりゃ悪かったわね。第一、読書中の人間に話し掛ける方がおかしいのよ」

「オレ本とか読まねぇし、読書家の気持ちなんざわかんねぇよ」

「で、結局何?何がしたかったの?」

このままだと話がずれてしまいそうだったので、気になっていたことを尋ねてみた。ただ単に真似したかったワケではないだろう。

こいつのことだから、確実に真意があるはず。

「オレの気持ち知ってほしかった、みたいな」


あたしに無視された時の気持ち?

何よ、あたしはこいつと同じ感情になるのか。


「へーぇ、あんたのことだからしょうがねぇ奴だなぁとか言って飽きれてると思った」

「半ば諦めてるがな。半々ってとこ」

「ふ、ふん…はじめから諦めてよ…恥ずかしいじゃない」

あたしが無視する度にそんな気持ちになってもらわれてはたまったもんじゃない。

かと言って、悪い気もしなかった。
純粋に、こいつのことが少し分かったのが嬉しかった。


「で?お前、何か用あったんだろ」

「べ、別に、やっぱり何でもなかった。とりあえずあんたがセンチメンタルなのは分かったから、じ、じゃね!」

あたしは何となく居づらくなったので、ユーリを振り返ることなくその場を去った。

「……今は違うんだから、しょうがねぇだろ…」


最後にそんな呟きを聞きながら、あたしは本当は何をしに来たか思い出そうとした。


*****

好きな人に無視されるとアレなわけです←
 

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