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俺
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かろん
自己紹介:
テイルズと遊戯王などが好きな腐った♀。
ユーリさんかリタっちがいれば飯三杯はいける。 |
TOVメインのテキストブログ。携帯サイト出張版です。
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非ィ科学的だ! デレリタ。 それは、ちょっと寂れた宿屋に入った時のこと。 「なーんか、出そうねここ」 「な ん か 言 っ た か お っ さ ん」 「あ、いや何でもないです…」 そんなおっさんとリタのやりとりはさておき、オレは宿賃を払った。宿主によると、今は客はほとんどおらず、部屋は開いているらしい。 「じゃあ、今日は一人部屋ですね。ここのところ複数部屋だったから、なんだか新鮮です」 ほんわかとしたエステルをよそに、 「ひっ、一人部屋っ!?」 と、ひきつるリタ。 「あー、リタっち怖いんでしょ」 「だ、だ、誰が怖いもんですか!大体、幽霊なんて非ィ科学的なのよ!」 「誰も幽霊の話なんかしてねーぞ」 「うぐ…」 まぁ、それらしい雰囲気はする宿屋ではあるが。 「さっき宿泊客が話してたの聞いたんだけどさ、結構前にここで人殺しがあったんだって。何でもその殺された人の霊が…」 「ぎゃあああぁああぁーーッ!いやああああぁあーーっ!!」 おっさんの声はリタの絶叫にかき消された。当のリタは疾風のごとく去って行った…。 「私、その話の続きが気になるのだけど」 と、ジュディ。リタと違って、嬉しそうだ。 「フフン、いくらでも聞かせてあげるよん?そのかわり、二人きりでね」 「…カロルも聞きたいそうよ」 「ええっ!?ぼ、ボクはいいよ…。リタほどじゃないけど、そういうの嫌だし…」 「あら、じゃあもし何かあったらあなたに全責任をとってもらうわよ」 よっぽどおっさんと二人きりになるのが嫌らしい。カロルは仕方なくおっさんの怪談話に付き合うことになった。 「私も、ああいう風に人を脅すことが出来たらって思います」 「み、見習わんでもええ!」 物寂しげにジュディの背中を見るエステルの方がちょっと怖いと思ったオレだった。 ―― 悪天候になってきた。雷でも落ちて、この宿屋が壊れでもしなければいいが。 時刻は12時を回っている。おっさんが夜這いでもしに来たか、と勘繰ったが、違った。 「夜中に男の部屋に来るなんて、大胆だなお前」 「ちっ、違うわよ!そんなんじゃなくて、その…う、…」 言い淀むリタ。聞かずもがな、リタがオレの部屋に来た理由は分かっていた。 「怖いんだろ」 「だっだから違うっ……」 あくまでも否定するリタだが、オレの部屋に来てしまった以上、言い訳は無用だった。 「何でオレのところにきた」 単刀直入に聞いてみた。リタはオレから視線を逸し、頬を紅潮させて、 「あ、あんたが…一番安心する、から…」 と、小さく呟いた。 「そりゃどうも」 オレは大きく呟いた。 ―― 意外と、狭い。 と、その時。 ガタガタガタッ! 「い゛っ!?何、何っ!来たのっ!?」 リタがオレにしがみついてきた。こう騒がれては、なんの色気もない。 無論、先程の音は風がガラスを叩いた音であって霊が降臨したわけではない。 「や、やだ…!何なの…!」 ぎゅっとリタがしがみつく手を強くしてきた。 だが、今度はガラスではない方から音が聞こえてきた。 ガーッ、ガーッ、ガーッ… 機械的に聞こえるそれは、壁ごしに聞こえてきた気がする。 「ひいいいいっ!何よ何よ!!あたしを殺しに来たのーッ!?」 リタは狭いのにもかかわらず布団の中で暴れだした。 しかし、さっきの音は何なんだろう。オレには自然的なものではなく、人工的なものに聞こえたが。 すると、今度は …ハンマー? 「にゃあああああああ!!やめてえええっ、来ないでぇー!!」 「うわっ、ちょ、リタっ」 半ベソ状態なリタは、しがみつくどころかオレの体に乗り上げてきた。 …とりあえず、あそこに足を当てるのはなんとかしてほしい。 すると突然、さっきまで強く吹いていた風がピタリと止まった。時計の針が刻む音も聞こえない。 「こいつは…」 「あぎゃあああああ!!やっ、やだ、怖いっ、ひぐっ…」 …どう考えてもおっさんのストップフロゥだ。恐らく、先程の2種の音も、あいつらの仕業だろう。全く、何がしたいのやら。 時が動き始めた。と、同時に雷の音が響いた。 「ぴぎゃあああああ!お、怒ってる、何で殺した、何でだ!ってええぇええー!!」 「り、リタっ、とりあえず落ち着け…」 これ以上怯えさせるのは可哀相だと思い、状況を説明しようと体を起こそうとしたが、何を思ったかリタがそれを制止した。 顔は、涙でぐちゃぐちゃだ。 「だだだ、だめっ!嫌っ、嫌だ嫌だどこにもいかないでええっ!!」 がっしりと、リタはオレに抱き付いた。 「お願い…ほんと怖いの…。もう少し…このままでいさせて…」 リタは涙目でオレを見上げてきた。これで断れる男がいようか。 「分かったよ。…リタは殺されやしねぇって。オレがいるしな」 「うん、ありがと…」 弱弱しい声でリタは言った。こういうのをツンデレのデレっていうんだろうな…。 「リタが…お礼、ねぇ」 「あたしだってお礼…くらい…す…」 騒ぎ疲れたのだろう、リタはオレに抱き付いたまま眠ってしまった。 「…ったく、こういう時はしおらしくなりやがって」 オレは苦笑しながら目を閉じた。
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